• 2026年9月26日
  • 2026年10月5日

黄疸とは?体のサインを見逃さないための知識

「なんだか最近、白目が黄色い気がする…」「肌の色が黄色っぽく見えるかも?」そんな風に感じたことはありませんか。それは「黄疸(おうだん)」と呼ばれる、体からの大切なサインかもしれません。

黄疸は、自分で気づくための初期症状があり、白目や皮膚が黄色くなるだけでなく、尿や便の色の変化、体のかゆみや倦怠感といった他の症状も伴うことがあります。

この記事では、大人向けの黄疸の原因として考えられる肝臓や胆のうの病気、アルコールやストレスとの関係性まで、分かりやすく解説します。また、黄疸を放置するリスクや、何科を受診すべきか、病院での検査の流れまで、あなたの不安に寄り添いながら丁寧にお伝えします。

黄疸とは何かを正しく理解し、専門医へ相談するための一歩を踏み出しましょう。


  著者プロフィール

吉田 健一(よしだ けんいち)
御代志よしだクリニック 院長

出身地: 熊本県熊本市
出身校: 熊本市立西原中学校、熊本高校、熊本大学
経歴:済生会熊本病院に26年勤務してきました。
専門分野:内科、消化器内科、医療安全
趣味:高校大学はボート部に所属し、1995年の福島国体に出場しました。現在は、料理とサッカー観戦を楽しんでいます!

・黄疸の自分で気づける初期症状が分かります

・黄疸が起こる原因や関連する病気について理解できます

・病院を受診するべきかどうかの目安が分かります

・病院での検査の流れや医師への伝え方が分かります

【項目1】画像: 黄疸とは?体のサインを見逃さないための知識
miyoshi-yoshida.jp

そもそも黄疸とは?症状と原因を解説

・自分で気づくための初期症状のサイン

・白目や皮膚が黄色い、尿や便の色の変化

・体のかゆみや倦怠感といった他の症状も

・【大人向け】考えられる原因と子どもとの違い

・肝臓や胆のう、関連する病気と肝機能数値

・アルコール(お酒)やストレスとの関係性

自分で気づくための初期症状のサイン

黄疸は、血液中の「ビリルビン」という黄色い色素が増えることで起こります。このビリルビンは、古くなった赤血球が分解されるときに作られる物質です。通常は肝臓で処理されて体の外に排出されるのですが、何らかの原因でうまく処理できなくなると、体の中に溜まってしまいます。

その結果、ビリルビンの黄色い色素が皮膚や粘膜に現れてくるのです。特に、もともと白い部分である眼球の白目(結膜)は、黄ばみに気づきやすい場所とされています。そのため、「白目が黄色いかも?」と感じたら、それは黄疸の初期症状のサインかもしれません。

鏡で自分の顔をチェックする習慣をつけると、こうした小さな変化にも気づきやすくなります。毎日見る自分の体だからこそ、少しの変化を見逃さないようにしたいですね。

白目や皮膚が黄色い、尿や便の色の変化

初心者

先生、黄疸って白目が黄色くなるだけじゃないんですか?

専門家

良い質問ですね。実は、尿や便の色にも特徴的な変化が現れることがあるんですよ。

黄疸が起こると、体の中のビリルビンの流れが変わるため、見た目に分かりやすい変化が起こります。白目や皮膚が黄色くなるのは、血液中のビリルビンが増加しているサインです。

さらに、尿の色が紅茶やウーロン茶のように濃い茶色になることがあります。これは、本来便に混ざって排出されるはずのビリルビンが、尿から多く排出されようとするために起こります。一方で、便の色はクリーム色や白っぽい色になることがあります。これは、便に色がつく元となるビリルビンが、腸に流れにくくなっている状態を示しています。

色の変化をチェック!

・白目・皮膚:黄色っぽくなる

・尿の色:濃い茶色(紅茶のような色)になる

・便の色:白っぽく(クリーム色や灰色)なる

体のかゆみや倦怠感といった他の症状も

黄疸のサインは、色の変化だけではありません。実は、体のかゆみや、なんとなく体がだるいといった倦怠感も、黄疸と同時に現れることがある症状です。これらの症状は、見過ごされやすいので注意が必要です。

体のかゆみは、胆汁の流れが悪くなることで、「胆汁酸」という物質が血液中に増え、皮膚の神経を刺激するために起こると考えられています。このかゆみは、夜間に強くなる傾向があり、なかなか眠れない原因になることもあります。

また、倦怠感や食欲不振は、黄疸の原因となっている肝臓の機能低下などが影響している可能性があります。ただの疲れだと思わずに、他の症状と合わせて考えることが大切です。

【大人向け】考えられる原因と子どもとの違い

「黄疸」と聞くと、生まれたばかりの赤ちゃんの「新生児黄疸」を思い浮かべる方もいるかもしれません。しかし、大人の黄疸と赤ちゃんの黄疸は、その原因が大きく異なります。

赤ちゃんの黄疸は、まだ肝臓の働きが未熟なために起こる一時的なもので、多くは自然に良くなります。一方で、大人の黄疸は、何らかの病気が隠れているサインであることがほとんどです。そのため、大人の黄疸に気づいた場合は、その原因をきちんと調べることが非常に重要になります。

新生児黄疸と大人の黄疸の違い

新生児黄疸は、赤血球が壊れやすく肝臓の処理能力が未熟なために起こる「生理的な現象」の場合が多いです。しかし、大人の黄疸は肝臓や胆道系の病気など「病的な原因」によって引き起こされることが大半を占めます。

肝臓や胆のう、関連する病気と肝機能数値

大人の黄疸の原因は、大きく3つに分けられます。肝臓そのものに問題がある場合、胆汁の通り道である胆道に問題がある場合、そして赤血球が過剰に壊される場合です。

具体的には、以下のような病気が考えられています。

・肝臓の病気:急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝がん、アルコール性肝障害など

・胆道系の病気:胆石症、胆管炎、胆のうがん、胆管がん、膵臓がんなど

・その他の原因:溶血性貧血(赤血球が壊れる病気)、薬剤による副作用など

健康診断などで指摘される肝機能の数値(AST、ALT、γ-GTPなど)の異常も、こうした病気のサインかもしれません。もし健康診断で異常を指摘されたら、放置せずに原因を調べることが大切です。健診の結果については「健診の肝機能異常、放置は危険?原因と受診の目安」の記事で詳しく解説しています。

アルコール(お酒)やストレスとの関係性

黄疸の原因として、生活習慣、特にアルコールの飲みすぎは深く関係しています。長期間にわたって大量のお酒を飲むと、肝臓に大きな負担がかかり、アルコール性肝障害や脂肪肝、さらには肝硬変へと進行する可能性があります。

これらの病気が進行すると、肝臓の機能が低下し、ビリルビンを正常に処理できなくなって黄疸が現れることがあります。お酒を飲む習慣がある方は、適量を守ることが肝臓を守る第一歩です。脂肪肝が気になる方は、「脂肪肝は食事で改善!今日から始めるやさしい食生活」の記事も参考にしてみてください。

また、ストレスが直接黄疸を引き起こすわけではありません。しかし、過度なストレスは免疫力を低下させたり、生活習慣の乱れにつながったりすることで、間接的に肝臓の健康に影響を与える可能性があります。心と体のバランスを整えることも、健康維持には欠かせません。

放置は危険!病気のサインとしての黄疸とは

・黄疸を放置するリスクと受診の目安

・すぐに病院へ行くべき危険なサイン

・何科を受診すべきか?かかりつけ医への相談

・病院での検査の流れと医師への伝え方

・まとめ:黄疸とは何かを理解し専門医へ

黄疸を放置するリスクと受診の目安

大人の黄疸は、体の異常を知らせる重要な警告サインです。そのため、「そのうち治るだろう」と自己判断で放置するのは非常に危険です。黄疸の背景には、治療が必要な病気が隠れている可能性が高いからです。

放置してしまうと、原因となっている病気が静かに進行し、治療が難しくなってしまうことがあります。例えば、肝炎が肝硬変や肝がんに進行したり、胆石が原因で重い感染症を引き起こしたりするリスクが高まります。黄疸に気づいたら、できるだけ早く医療機関を受診することが大切です。

受診の目安としては、「白目が黄色い」「尿の色が濃い」など、黄疸を疑う症状が一つでもあれば、まずは相談することをおすすめします。特に症状が数日経っても改善しない場合は、迷わず受診しましょう。

すぐに病院へ行くべき危険なサイン

黄疸の症状に加えて、以下のような症状が一緒に現れた場合は、緊急を要する可能性があります。すぐに医療機関を受診するか、場合によっては救急車の要請も検討してください。

【要注意】すぐに受診すべき危険なサイン

・高熱(38度以上)を伴う

・我慢できないほどの強い腹痛や背中の痛みがある

・意識がもうろうとする、言動がおかしい

・吐き気や嘔吐が止まらない

・震えが止まらない

これらの症状は、急性胆管炎や急性肝不全など、命に関わる重篤な状態を示している場合があります。ためらわずに、速やかに適切な医療を受けることが何よりも重要です。このような状態は医学的な緊急事態とされています(参照:MSDマニュアル家庭版)。

何科を受診すべきか?かかりつけ医への相談

初心者

黄疸かもしれないと思ったら、何科に行けばいいのでしょうか?大きな病院に行くべきですか?

専門家

まずは、かかりつけの先生に相談するのが一番ですよ。専門の科は消化器内科や肝臓内科になりますが、かかりつけ医なら適切な病院を紹介してくれます。

黄疸の原因は肝臓や胆道系の病気が多いため、専門の診療科は「消化器内科」や「肝臓内科」になります。しかし、いきなり専門の病院を探すのは大変かもしれません。

そんな時は、まずはお近くの内科クリニックや、普段からお世話になっている「かかりつけ医」に相談するのがスムーズです。かかりつけ医は、あなたの健康状態をよく理解しているため、適切な初期対応や、必要に応じて専門の医療機関への紹介状を書いてくれます。

健康診断の結果など、他の健康情報も合わせて相談できるため、より的確な判断につながります。健康診断については「胃がん検診、胃カメラとバリウムどっち?違いを徹底解説」の記事なども参考に、定期的なチェックを心がけましょう。

病院での検査の流れと医師への伝え方

病院を受診すると、まず問診で詳しい症状や生活習慣について聞かれます。その後、原因を特定するためにいくつかの検査が行われるのが一般的です。

主な検査には、血液中のビリルビン値や肝機能などを調べる「血液検査」や、肝臓や胆のう、胆管の状態を画像で確認する「腹部超音波(エコー)検査」があります。これらの検査は体への負担が少なく、多くの情報を得ることができます。必要に応じて、さらに詳しいCT検査やMRI検査が行われることもあります。

医師に伝えるべきこと

正確な診断のために、以下の情報を整理して医師に伝えられるようにしておくとスムーズです。

・いつから症状に気づいたか(白目が黄色い、尿が濃いなど)

・他に気になる症状はあるか(かゆみ、倦怠感、腹痛、発熱など)

・お酒を飲む習慣や量、喫煙の有無

・現在服用している薬やサプリメント

・過去にかかった病気や、家族の病歴

こうした検査の流れや診断については、日本肝臓学会のウェブサイトでも詳しく解説されていますので、参考にすると良いでしょう。

まとめ:黄疸とは何かを理解し専門医へ

この記事では、黄疸の症状や原因、対処法について詳しく解説してきました。最後に、大切なポイントをまとめて振り返ってみましょう。

・黄疸は血液中の「ビリルビン」という黄色い色素が増えて起こる。

・自分で気づける初期症状は、白目が黄色くなること。

・皮膚の黄ばみ、濃い茶色の尿、白っぽい便も特徴的なサイン。

・体のかゆみや倦怠感を伴うこともある。

・大人の黄疸は、肝臓や胆のうの病気が隠れているサインの場合が多い。

・新生児黄疸とは原因が異なり、自己判断での放置は危険。

・考えられる病気には肝炎、肝硬変、胆石症、がんなどがある。

・アルコールの過剰摂取は、黄疸の大きな原因になりうる。

・ストレスは直接の原因ではないが、間接的に影響する可能性がある。

・黄疸を放置すると、原因の病気が進行し治療が困難になるリスクがある。

・高熱や激しい腹痛、意識障害がある場合は、すぐに病院へ行くべき。

・何科を受診すべきか迷ったら、まずはかかりつけ医に相談するのが良い。

・専門は消化器内科や肝臓内科。

・病院では問診、血液検査、腹部超音波検査などが一般的に行われる。

・受診の際は、症状が始まった時期や生活習慣などを正確に伝えることが大切。

黄疸は、あなたの体が発している見逃してはいけないSOSサインです。少しでも気になる症状があれば、この記事を参考に、勇気を出して専門医に相談してくださいね。休養・こころの健康(参照:厚生労働省)にも、自分の体の変化に耳を傾けることが大切です。

096-223-5564