- 2026年9月15日
- 2026年9月14日
健診で血圧が高いと言われたら?放置せず早めの対策を
「健康診断の結果、血圧が高めですねと言われてしまった…」そんな経験はありませんか?自覚症状がないため、どうしたら良いか分からず不安に感じている方も多いかもしれません。特に30代・40代や、働き盛りの50代にとって、血圧の問題は他人事ではありません。
健康診断結果の正しい見方を知り、一時的な上昇の可能性も考えつつ、まずは高血圧の基礎知識を身につけることが大切です。
この記事では、健診で血圧が高いと指摘された方が、次に何をすべきかを優しく解説します。
放置するリスクや生活習慣病との関係、病院へ行くタイミングや何科を受診すべきかまで、あなたの疑問や不安に一つひとつお答えしていきます。
健診結果をきっかけに、ご自身の体と向き合う第一歩を踏み出しましょう。自己判断で放置せず、正しい知識を持って行動することが、未来の健康を守る鍵となります。
著者プロフィール

吉田 健一(よしだ けんいち)
御代志よしだクリニック 院長
出身地: 熊本県熊本市
出身校: 熊本市立西原中学校、熊本高校、熊本大学
経歴:済生会熊本病院に26年勤務してきました。
専門分野:内科、消化器内科、医療安全
趣味:高校大学はボート部に所属し、1995年の福島国体に出場しました。現在は、料理とサッカー観戦を楽しんでいます!
・健診で指摘された血圧の数値の意味が分かります
・高血圧を放置するリスクを具体的に理解できます
・病院を受診するべきかどうかの目安が分かります
・血圧対策のために今日からできることが見つかります
健診で血圧が高いと言われたら?まずは落ち着いて確認
健康診断結果の見方と一時的な上昇の可能性
健康診断の結果表には「収縮期血圧(上の血圧)」と「拡張期血圧(下の血圧)」という2つの数値が書かれています。収縮期血圧は心臓が縮んで血液を送り出す時の圧力、拡張期血圧は心臓が広がって血液を溜める時の圧力を示しています。
しかし、一度の測定で数値が高かったからといって、すぐに高血圧と決まるわけではありません。病院の雰囲気や緊張で一時的に血圧が上がる「白衣高血圧」という状態もあるため、まずは落ち着いて結果を受け止めることが大切です。

先生、健診で血圧が高いって言われました…。すごく心配です。

まずは落ち着きましょう。健診の時は緊張で血圧が上がりやすいですからね。大切なのは、普段の血圧がどうなのかを知ることですよ。
高血圧の基礎知識と正常値はいくつからかを知る
そもそも高血圧とは、血管に常に強い圧力がかかっている状態を指します。この状態が続くと、血管が傷ついたり硬くなったりして、さまざまな病気のリスクが高まります。
日本の基準では、病院で測定した場合に収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg以上のどちらか一方でも当てはまると高血圧とされています。そのため、この数値を目安に自身の状態を把握することが重要です。
・正常血圧: 120 / 80 mmHg 未満
・正常高値血圧: 120-129 / 80 mmHg 未満
・高値血圧: 130-139 / 80-89 mmHg
・Ⅰ度高血圧: 140-159 / 90-99 mmHg
・Ⅱ度高血圧: 160-179 / 100-109 mmHg
・Ⅲ度高血圧: 180 / 110 mmHg 以上
日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン」を参考に作成
ご家庭で血圧を測る場合は、診察室よりも5mmHg低い基準(135/85mmHg以上)が用いられます。リラックスした状態で測れる家庭での血圧は、普段の状態を知るための大切な情報源となります。
自覚症状なしは大丈夫?ストレスは関係ある?
高血圧の最も怖い特徴は、自覚症状がほとんどないことです。「サイレントキラー(静かなる殺人者)」とも呼ばれ、気づかないうちに血管へのダメージが進行していきます。そのため、「元気だから大丈夫」という油断は禁物です。
また、精神的なストレスも血圧を上昇させる大きな要因の一つとされています。仕事や人間関係の悩みで交感神経が優位になると、血管が収縮して血圧が上がることがあります。慢性的なストレスは、高血圧を悪化させる原因にもなり得ます。
ストレスは血圧だけでなく、胃腸の不調にも繋がることがあります。心と体の両面からケアすることが大切です。ストレスと体の関係については、「ストレスが胃腸に与える影響とは?原因と対策を優しく解説」の記事も参考にしてみてください。
放置するリスクと生活習慣病との関係とは
健診で血圧が高いと指摘されたにもかかわらず放置してしまうと、命に関わる重大な病気を引き起こす可能性があります。高い圧力がかかり続けることで血管の壁がもろくなり、さまざまな合併症のリスクが高まるのです。
特に注意したいのが、脳卒中(脳梗塞・脳出血)や心筋梗塞、狭心症といった心血管疾患です。また、腎臓の血管が傷ついて腎機能が低下する腎臓病や、眼の血管が傷つく眼底出血なども引き起こされることがあります。
・脳卒中(脳梗塞、脳出血など)
・心臓病(心筋梗塞、狭心症、心不全)
・腎臓病(腎硬化症、腎不全)
・大動脈瘤
・眼底出血
これらの病気は、一度発症すると生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。詳しくは国立循環器病研究センターのサイトでも解説されています。
30代・40代のリスクと50代働き盛りの注意点
「高血圧は高齢者の病気」と思われがちですが、決してそんなことはありません。30代や40代の若い世代でも、食生活の乱れや運動不足、ストレスなどによって血圧が高くなるケースは増えています。
特に50代の働き盛りの世代は、仕事の責任が重くなる一方で、体の変化も感じ始める時期です。長年の生活習慣の積み重ねが結果として現れやすく、高血圧のリスクがぐっと高まります。忙しさを理由に健康管理を後回しにしないことが重要です。
若い頃からの生活習慣を見直し、定期的に血圧をチェックする習慣をつけることが、将来の健康を守るための最も効果的な対策と言えるでしょう。
健診で血圧が高いと判明したら病院へ行くべきか
引っかかったらどうする?忙しいからと後回しにしない
健康診断で血圧の項目にチェックがついたら、それは体からの大切なサインです。「忙しいから」「まだ若いから」と後回しにせず、まずは専門家である医師に相談することを考えましょう。
自覚症状がないからこそ、つい受診を先延ばしにしてしまいがちです。しかし、早期に適切な対応を始めることで、将来の大きな病気を防ぐことができます。自分の体を守るために、勇気を出して一歩を踏み出すことが大切です。

やっぱり病院に行った方がいいんですね…。でも、仕事が忙しくてなかなか時間が取れなくて。

お気持ちはよく分かります。ですが、健康は何にも代えがたい財産です。今は少しの時間でも、将来の大きな病気を防ぐための投資だと考えてみてください。
受診の目安となる基準値と病院へ行くタイミング
受診を考えるべき具体的な目安は、健診結果で収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg以上だった場合です。特に、複数回の測定で常にこの基準を超える場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
また、130/80mmHg台の「高値血圧」であっても、糖尿病や腎臓病などの持病がある方や、家族に心血管疾患の病歴がある方はリスクが高いため、一度医師に相談することをおすすめします。まずは自宅で血圧を測る習慣をつけ、日々の変動を記録しておくと診察の際に役立ちます。
二次健診の案内が来たら再検査・精密検査へ
健康診断の結果、「要再検査」や「要精密検査」の通知、いわゆる二次健診の案内が届いた場合は、必ず指示に従って受診してください。これは、一度の健診だけでは判断が難しく、より詳しく調べる必要があるというサインです。
二次健診では、日を改めて血圧を複数回測定したり、血液検査や尿検査、心電図検査などを行ったりして、高血圧が本物かどうか、また他の病気が隠れていないかを調べます。
40歳から74歳までの方を対象とした「特定健診」で血圧などが基準値を超えた場合、生活習慣を見直すための「特定保健指導」の案内が来ることがあります。これは病気になる前の段階で生活改善をサポートする制度で、専門家からアドバイスを受けられます。(参照:厚生労働省「特定健診・特定保健指導について」)
何科に行くべき?まずは内科やかかりつけ医への相談を
血圧のことで初めて病院にかかる場合、「何科に行けばいいの?」と迷うかもしれません。まずは、お近くの内科や、普段から風邪などでかかっている「かかりつけ医」に相談するのが一番です。
かかりつけ医はあなたの体質や生活背景を理解してくれている場合が多く、総合的な視点でアドバイスをくれます。必要に応じて、循環器内科などの専門医を紹介してくれることもあるので、安心して相談できます。
日々のセルフケアも血圧管理には欠かせません。心と体を整える習慣については「セルフケア 3Rとは?心と体を整える新しい習慣」でも紹介していますので、ぜひご覧ください。
初めての受診の流れと検査で何をするか
初めて高血圧で受診するときの流れを知っておくと、少し不安が和らぐかもしれません。一般的には、まず問診で生活習慣や家族の病歴、自覚症状などについて詳しく聞かれます。
その後、診察室で血圧を測定します。さらに、高血圧の原因や合併症の有無を調べるために、以下のような検査を行うことがあります。
・血液検査: 血糖値、コレステロール、腎機能などを調べます。
・尿検査: 尿中のたんぱく質や糖を調べ、腎臓への影響を確認します。
・心電図検査: 心臓に負担がかかっていないかを調べます。
・胸部X線検査: 心臓の大きさなどを確認します。
これらの検査は、あなたの体の状態を正確に把握し、最適な治療方針を決めるためにとても重要です。怖がらずにリラックスして受けましょう。
健診で血圧が高いなら自己判断せず医師に相談を
この記事の要点をまとめます。健診で血圧が高いと指摘されたら、まずは落ち着いて専門家のアドバイスを求めることが大切です。
・健康診断の結果で血圧が高いと言われたら、まずは落ち着いて結果を確認する。
・血圧には「収縮期血圧(上)」と「拡張期血圧(下)」の2種類がある。
・緊張で一時的に血圧が上がる「白衣高血圧」の可能性もある。
・診察室血圧で140/90mmHg以上が高血圧の一つの目安とされる。
・高血圧は自覚症状がほとんどない「サイレントキラー」と呼ばれる。
・ストレスは血圧を上昇させる要因の一つになるため注意が必要。
・高血圧を放置すると、脳卒中や心筋梗塞など命に関わる病気のリスクが高まる。
・30代・40代の若い世代でも高血圧のリスクはあり、油断は禁物。
・50代の働き盛りは、長年の生活習慣の蓄積でリスクが高まりやすい。
・健診で引っかかったら「忙しい」と後回しにせず、早めに医療機関を受診する。
・二次健診の案内が来たら、必ず指示に従い再検査・精密検査を受ける。
・何科に行くか迷ったら、まずは内科やかかりつけ医に相談するのがおすすめ。
・病院では問診や血圧測定のほか、血液検査や心電図などを行うことがある。
・家庭で血圧を測る習慣をつけ、記録しておくと診察に役立つ。
・自己判断で放置せず、医師に相談して適切なアドバイスを受けることが未来の健康を守る。
